農業経営者

感性と理論

農業経営者

芸術と専門職の仕事を除けば、農業ほど多様な知識と経験が必要な職業はおそらくないだろう。

農業技術について、様々な言語で無数の本が書かれている点を見ても、特に知識が発達している国ですら、農業が簡単に理解できるとは考えられてこなかったことがわかる。

これらの農業書を大量に読んでも、多様で複雑な作業についての知識を十分に獲得することはできないが、こうした知識は普通の農民なら誰でも持っているものなのだ。

農業書の著者の中には鼻持ちならない人もいて、農民を小馬鹿にしている場合もあるが、これが事実なのだ。

第二節 ヨーロッパの政策から生まれる不均等

国家運営も企業経営も共に必要なのは意思決定という「判断力」。

それは農業経営と同じく知識と経験が必要、理論どおりにいくものじゃない。

「理論」はここでいう「知識」ではなく、意思決定の結果の是非によって構築された「帰納的」な「学問」に過ぎないかもしれない。引き合いに出された農業書の著者はそれに当たるのだろう。

「判断力」は「感性」、知識と経験によって成功の「蓋然性」を「演繹的」に導き出すことのできる力といっていい。