第四章 仮差押及ヒ仮処分
第737条
第七百三十七条 仮差押ハ金銭ノ債権又ハ金銭ノ債権ニ換フルコトヲ得ヘキ請求ニ付キ動産又ハ不動産ニ対スル強制執行ヲ保全スル為メ之ヲ為スコト ヲ得
2 仮差押ハ未タ期限ニ至ラサル請求ニ付テモ亦之ヲ為スコトヲ得
第738条
第七百三十八条 仮差押ハ之ヲ為ササレハ判決ノ執行ヲ為スコト能ハス又ハ判決ノ執行ヲ為スニ著シキ困難ヲ生スル恐アルトキ殊ニ外国ニ於テ判決ノ 執行ヲ為スニ至ル可キトキハ之ヲ為スコトヲ得
第739条
第七百三十九条 仮差押ノ命令ハ仮ニ差押フ可キ物ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所又ハ本案ノ管轄裁判所之ヲ管轄ス
第740条
第七百四十条 仮差押ノ申請ニハ左ノ諸件ヲ掲ク可シ 第一 請求ノ表示若シ其請求カ一定ノ金額ニ係ラサルトキハ其価額 第二 仮差押ノ理由タル事実ノ表示
2 請求及ヒ仮差押ノ理由ハ之ヲ疏明ス可シ 3 申請ハ口頭ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
第741条
第七百四十一条 仮差押ノ申請ニ付テノ裁判ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得
2 請求又ハ仮差押ノ理由ヲ疏明セサルトキト雖モ仮差押ニ因リ債務者ニ生ス可キ損害ノ為メ債権者カ裁判所ノ自由ナル意見ヲ以テ定ムル保証ヲ立テタルトキハ裁判所ハ仮差押ヲ命スルコトヲ得
3 又請求及ヒ仮差押ノ理由ヲ疏明シタルトキト雖モ裁判所ハ保証ヲ立テシメ仮差押ヲ命スルコトヲ得
4 保証ヲ立テタルトキハ其保証ヲ立テタルコト及ヒ如何ナル方法ヲ以テ之ヲ立テタルコトヲ仮差押ノ命令ニ記載ス可シ
第742条
第七百四十二条 仮差押ノ申請ニ付テノ裁判ハ口頭弁論ヲ為ス場合ニ於テハ終局判決ヲ以テ之ヲ為シ其他ノ場合ニ於テハ決定ヲ以テ之ヲ為ス
2 仮差押ノ申請ヲ却下シ又ハ保証ヲ立テシムル裁判ハ債務者ニ之ヲ通知スルコトヲ要セス
第743条
第七百四十三条 仮差押ノ命令ニハ仮差押ノ執行ヲ停止スルコトヲ得ル為メ又ハ執行シタル仮差押ヲ取消スコトヲ得ル為ニ債務者ヨリ供託ス可キ金額 ヲ記載ス可シ
第744条
第七百四十四条 債務者ハ仮差押決定ニ対シ異議ヲ申立ツルコトヲ得
2 此異議ニ付テハ仮差押ノ取消又ハ変更ヲ申立ツル理由ヲ開示ス可シ
3 異議ノ申立ハ仮差押ノ執行ヲ停止セス
第7458条
第七百四十五条 異議ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ口頭弁論ノ為メ当事者ヲ呼出ス可シ
2 裁判所ハ終局判決ヲ以テ仮差押ノ全部若クハ一分ノ認可、変更又ハ取消ヲ言渡シ又自由ナル意見ヲ以テ定ムル保証ヲ立ツ可キコトノ条件ヲ附シテ之ヲ言渡スコトヲ得
第746条
第七百四十六条 本案ノ未タ繋属セサルトキハ仮差押裁判所ハ債務者ノ申立ニ因リ口頭弁論ヲ経スシテ相当ニ定ムル期間内ニ訴ヲ起ス可キコトヲ債権 者ニ命ス可シ
2 此期間ヲ徒過シタル後ハ債務者ノ申立ニ因リ終局判決ヲ以テ仮差押ヲ取消ス可シ
第747条
第七百四十七条 債務者ハ仮差押ノ理由消滅シ其他事情ノ変更シタルトキ又ハ裁判所ノ自由ナル意見ヲ以テ定ム可キ保証ヲ立テントノ提供ヲ為シタル トキハ仮差押ノ認可後ト雖モ仮差押ノ取消ヲ申立ツルコトヲ得
2 此申立ニ付テハ終局判決ヲ以テ之ヲ裁判ス其裁判ハ仮差押ヲ命シタル裁判所又本案カ既ニ繋属シタルトキハ本案ノ裁判所之ヲ為ス
第748条
第七百四十八条 仮差押ノ執行ニ付テハ強制執行ニ関スル規定ヲ準用ス但以下数条ニ於テ差異ノ生スルトキハ此限ニ在ラス
第749条
第七百四十九条 仮差押ノ命令ニハ其命令ヲ発シタル後債権者又ハ債務者ニ於テ承継アル場合ニ限リ執行文ヲ附記スルコトヲ要ス
2 仮差押命令ノ執行ハ命令ヲ言渡シ又ハ申立人ニ命令ヲ送達シタルヨリ十四日ノ期間ヲ徒過スルトキハ之ヲ為スコトヲ許サス
3 右執行ハ債務者ニ差押命令ヲ送達スル前ト雖モ之ヲ為スコトヲ得
第750条
第七百五十条 動産ニ対スル仮差押ノ執行ハ各差押ト同一ノ原則ニ従ヒテ之ヲ為ス
2 債権ノ仮差押ニ付テハ其命令ヲ発シタル裁判所ヲ以テ管轄執行裁判所トス
3 債権ノ仮差押ニ付テハ第三債務者ニ対シ債務者ニ支払ヲ為スコトヲ禁スル命令ノミヲ為ス可シ
4 仮差押ノ金銭ハ之ヲ供託ス可シ其他仮差押物ノ競売及ヒ仮差押有価証券ノ換価ハ一時之ヲ為サス然レトモ仮差押物ニ著シキ価額ノ減少ヲ生スル恐ア ルトキ又ハ其貯蔵ニ付キ不相応ナル費用ヲ生ス可キトキハ執行裁判所ハ申立ニ因リ其物ヲ競売シ売得金ヲ供託ス可キ旨ヲ執行官ニ命スルコトヲ得
第751条
第七百五十一条 不動産ニ対スル仮差押ノ執行ハ仮差押ノ命令ヲ登記簿ニ記入スルニ因リテ之ヲ為ス 2 前項ノ執行ニ付テハ仮差押ノ命令ヲ発シタル裁判所ヲ以テ管轄執行裁判所トス
第752条
第七百五十二条 仮差押執行ノ為メ強制管理ヲ為ス場合ニ於テハ保全ス可キ債権ニ相当スル金額ヲ取立テ之ヲ供託ス可シ
第753条
第七百五十三条 船舶ニ対スル仮差押ノ執行ハ仮差押ノ当時碇泊スル港ニ碇泊セシムルコトニ因リテ之ヲ為ス裁判所ハ債権者ノ申立ニ因リ船舶ノ監守 及ヒ保存ノ為メ必要ナル処分ヲ為ス
第754条
第七百五十四条 仮差押命令ニ於テ定メタル金額ヲ供託シタルトキハ執行裁判所ハ執行シタル仮差押ヲ取消ス可シ
2 仮差押ノ続行ニ付キ特別ノ費用ヲ要シ且之カ為メ必要ナル金額ヲ債権者カ予納セサルトキモ亦執行裁判所ハ仮差押ノ取消ヲ命スルコトヲ得 3 右裁判ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得
4 仮差押ヲ取消ス決定ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第755条
第七百五十五条 係争物ニ関スル仮処分ハ現状ノ変更ニ因リ当事者一方ノ権利ノ実行ヲ為スコト能ハス又ハ之ヲ為スニ著シキ困難ヲ生スル恐アルトキ 之ヲ許ス
第756条
第七百五十六条 仮処分ノ命令其他ノ手続ニ付テハ仮差押ノ命令及ヒ手続ニ関スル規定ヲ準用ス但以下数条ニ於テ差異ノ生スルトキハ此限ニ在ラス 第七百五十六条ノ二 仮処分ヲ取消ス判決ハ財産権上ノ請求ニ関セサルモノニ付テモ仮執行ノ宣言ヲ為スコトヲ得
第757条
第七百五十七条 仮処分ノ命令ハ本案ノ管轄裁判所之ヲ管轄ス
2 右裁判ハ急迫ナル場合ニ於テハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得
第758条
第七百五十八条 裁判所ハ其意見ヲ以テ申立ノ目的ヲ達スルニ必要ナル処分ヲ定ム
2 仮処分ハ保管人ヲ置キ又ハ相手方ニ行為ヲ命シ若クハ之ヲ禁シ又ハ給付ヲ命スルコトヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
3 仮処分ヲ以テ不動産ヲ譲渡シ又ハ抵当ト為スコトヲ禁シタルトキハ裁判所ハ第七百五十一条ノ規定ヲ準用シテ登記簿ニ其禁止ヲ記入セシム可シ
第七百五十九条 特別ノ事情アルトキニ限リ保証ヲ立テシメテ仮処分ノ取消ヲ許スコトヲ得 第七百六十条 仮処分ハ争アル権利関係ニ付キ仮ノ地位ヲ定ムル為ニモ亦之ヲ為スコトヲ得但其処分ハ殊ニ継続スル権利関係ニ付キ著シキ損害ヲ避ケ
若クハ急迫ナル強暴ヲ防ク為メ又ハ其他ノ理由ニ因リ之ヲ必要トスルトキニ限ル
第七百六十一条 急迫ナル場合ニ於テハ係争物ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ハ仮処分ノ当否ニ付テノ口頭弁論ノ為メ本案ノ管轄裁判所ニ相手方ヲ呼 出ス可キ申立ノ期間ヲ定メ仮処分ヲ命スルコトヲ得
2 此期間ヲ徒過シタル後地方裁判所ハ申立ニ因リ其命シタル仮処分ヲ取消ス可シ 3 右裁判ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得
第七百六十二条 本章ノ規定ニ於ケル本案ノ管轄裁判所ハ第一審裁判所トス但本案カ控訴審ニ繋属スルトキニ限リ控訴裁判所トス 第七百六十三条 急迫ナル場合ニ於テ口頭弁論ヲ要セサルモノニ限リ裁判長ハ本章ノ申立ニ付キ裁判ヲ為スコトヲ得
第七編 公示催告手続
第七百六十四条 請求又ハ権利ノ届出ヲ為サシムル為メノ裁判上ノ公示催告ハ其届出ヲ為ササルトキハ失権ヲ生スル効力ヲ以テ法律ニ定メタル場合ニ 限リ之ヲ為スコトヲ得
2 公示催告手続ハ簡易裁判所之ヲ管轄ス
第七百六十五条 公示催告ノ申立ハ書面又ハ口頭ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
2 此申立ニ付テノ裁判ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得
3 申立ヲ許ス可キトキハ裁判所ハ公示催告ヲ為ス可ク其公示催告ニハ殊ニ左ノ諸件ヲ掲ク可シ
第一 申立人ノ表示 第二 請求又ハ権利ヲ公示催告期日マテニ届出ツ可キコトノ催告 第三 届出ヲ為ササルニ因リ生ス可キ失権ノ表示 第四 公示催告期日ノ指定
第七百六十六条 公示催告ニ付テノ公告ハ裁判所ノ掲示板ニ掲示シ及ヒ官報又ハ公報ニ掲載シテ之ヲ為ス 2 裁判所相当ト認ムルトキハ新聞紙ニ公告ス可キコトヲ命スルコトヲ得
第七百六十七条 公示催告ヲ官報又ハ公報ニ掲載シタル日ト公示催告期日トノ間ニハ法律ニ別段ノ規定ヲ設ケサルトキハ少ナクトモ二个月ノ時間ヲ存 スルコトヲ要ス
第七百六十八条 公示催告期日ノ終リタル後ト雖モ除権判決前ニ届出ヲ為ストキハ適当ナル時間ニ之ヲ為シタルモノト看做ス
第七百六十九条 除権判決ハ申立ニ因リテ之ヲ為ス
2 右判決前ニ詳細ナル探知ヲ為ス可キ旨ヲ命スルコトヲ得
3 除権判決ノ申立ヲ却下スル決定及ヒ除権判決ニ付シタル制限又ハ留保ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第七百七十条 申立人ノ申立ノ理由トシテ主張シタル権利ヲ争フコトノ届出アリタルトキハ其事情ニ従ヒ届出テタル権利ニ付テノ裁判確定スルマテ公 示催告手続ヲ中止シ又ハ除権判決ニ於テ届出テタル権利ヲ留保ス可シ
第七百七十一条 申立人カ公示催告期日ニ出頭セサルトキハ其申立ニ因リ新期日ヲ定ム可シ此申立ハ公示催告期日ヨリ六个月ノ期間内ニ限リ之ヲ為ス コトヲ許ス
第七百七十二条 公示催告手続ヲ完結スル為メ新期日ヲ定メタルトキハ其期日ノ公告ヲ為スコトヲ要セス 第七百七十三条 裁判所ハ除権判決ノ重要ナル旨趣ヲ官報又ハ公報ニ掲載シテ公告ヲ為スコトヲ得
第七百七十四条 除権判決ニ対シテハ上訴ヲ為スコトヲ得ス
2 除権判決ニ対シテハ左ノ場合ニ於テ申立人ニ対スル訴ヲ以テ催告裁判所ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ニ不服ヲ申立ツルコトヲ得
第一 法律ニ於テ公示催告手続ヲ許ス場合ニ非サルトキ 第二 公示催告ニ付テノ公告ヲ為サス又ハ法律ニ定メタル方法ヲ以テ公告ヲ為ササルトキ 第三 公示催告ノ期間ヲ遵守セサルトキ 第四 判決ヲ為ス裁判官カ法律ニ依リ職務ノ執行ヨリ除斥セラレタルトキ 第五 請求又ハ権利ノ届出アリタルニ拘ハラス判決ニ於テ其届出ヲ法律ニ従ヒ顧ミサルトキ 第六 第四百二十条第四号乃至第八号ノ場合ニ於テ再審ノ訴ヲ許ス条件ノ存スルトキ
第七百七十五条 不服申立ノ訴ハ一个月ノ不変期間内ニ之ヲ起ス可シ此期間ハ原告カ除権判決ヲ知リタル日ヲ以テ始マル然レトモ前条第四号及ヒ第六 号ニ掲ケタル不服申立ノ理由ノ一ニ基キ訴ヲ起シ且原告カ右ノ日ニ其理由ヲ知ラサリシ場合ニ於テハ其期間ハ不服ノ理由ノ原告ニ知レタル日ヲ以テ 始マル
2 除権判決ノ言渡ノ日ヨリ起算シテ五个年ノ満了後ハ此訴ヲ起スコトヲ得ス
第七百七十六条 裁判所ハ数箇ノ公示催告ノ併合ヲ命スルコトヲ得
第七百七十七条 盗取セラレ又ハ紛失若クハ滅失シタル手形其他商法ニ無効ト為シ得ヘキコトヲ定メタル証書ノ無効宣言ノ為ニ為ス公示催告手続ニ付 テハ以下数条ノ特別規定ヲ適用ス
2 此規定ハ法律上公示催告手続ヲ許ス他ノ証書ニ付キ其法律中ニ特別規定ヲ設ケサル限リハ之ヲ適用ス
第七百七十八条 無記名証券又ハ裏書ヲ以テ移転シ得ヘク且略式裏書ヲ付シタル証書ニ付テハ最終ノ所持人公示催告手続ヲ申立ツル権アリ 2 此他ノ証書ニ付テハ証書ニ因リ権利ヲ主張シ得ヘキ者此申立ヲ為ス権アリ
第七百七十九条 公示催告手続ハ証書ニ表示シタル履行地ノ裁判所之ヲ管轄ス若シ証書ニ其履行地ヲ表示セサルトキハ発行人カ普通裁判籍ヲ有スル地 ノ裁判所之ヲ管轄シ其裁判所ナキトキハ発行人カ発行ノ当時普通裁判籍ヲ有セシ地ノ裁判所之ヲ管轄ス
2 証書ヲ発行スル原因タル請求ヲ登記簿ニ記入シタルトキハ其物ノ所在地ノ裁判所ノ管轄ニ専属ス
第七百八十条 申立人ハ申立ノ憑拠トシテ左ノ手続ヲ為ス可シ 第一 証書ノ謄本ヲ差出シ又ハ証書ノ重要ナル旨趣及ヒ証書ヲ十分ニ認知スルニ必要ナル諸件ヲ開示スルコト 第二 証書ノ盗難、紛失、滅失及ヒ公示催告手続ヲ申立ツルコトヲ得ルノ理由タル事実ヲ疏明スルコト
第七百八十一条 公示催告中ニ公示催告期日マテニ権利ヲ裁判所ニ届出テ且其証書ヲ提出ス可キ旨ヲ証書ノ所持人ニ催告ス可ク又失権トシテ証書ノ無 効宣言ヲ為ス可キ旨ヲ戒示ス可シ
第七百八十二条 公示催告ノ公告ハ裁判所ノ掲示板ニ掲示シ且官報又ハ公報ニ掲載シ及ヒ新聞紙ニ三回掲載シテ之ヲ為ス 2 公示催告裁判所ノ所在地ニ取引所アルトキハ取引所ニモ亦此公告ヲ掲示ス可シ
第七百八十三条 公示催告ヲ官報又ハ公報ニ掲載シタル日ト公示催告期日トノ間ニハ少ナクトモ六个月ノ時間ヲ存スルコトヲ要ス
第七百八十四条 除権判決ニ於テハ証書ヲ無効ナリト宣言ス可シ
2 除権判決ノ重要ナル旨趣ハ官報又ハ公報ヲ以テ之ヲ公告ス可シ
3 不服申立ノ訴ニ因リ判決ヲ以テ無効宣言ヲ取消シタルトキハ其判決ノ確定後官報又ハ公報ヲ以テ之ヲ公告ス可シ
第七百八十五条 除権判決アリタルトキハ其申立人ハ証書ニ因リ義務ヲ負担スル者ニ対シテ証書ニ因レル権利ヲ主張スルコトヲ得 第八編 仲裁手続
第七百八十六条 一名又ハ数名ノ仲裁人ヲシテ争ノ判断ヲ為サシムル合意ハ当事者カ係争物ニ付キ和解ヲ為ス権利アル場合ニ限リ其効力ヲ有ス 第七百八十七条 将来ノ争ニ関スル仲裁契約ハ一定ノ権利関係及ヒ其関係ヨリ生スル争ニ関セサルトキハ其効力ヲ有セス 第七百八十八条 仲裁契約ニ仲裁人ノ選定ニ関スル定ナキトキハ当事者ハ各一名ノ仲裁人ヲ選定ス
第七百八十九条 当事者ノ双方カ仲裁人ヲ選定スル権利ヲ有スルトキハ先ニ手続ヲ為ス一方ハ書面ヲ以テ相手方ニ其選定シタル仲裁人ヲ指示シ且七日 ノ期間内ニ同一ノ手続ヲ為ス可キ旨ヲ催告ス可シ
2 右期間ヲ徒過シタルトキハ管轄裁判所ハ先ニ手続ヲ為ス一方ノ申立ニ因リ仲裁人ヲ選定ス
第七百九十条 当事者ノ一方ハ相手方ニ仲裁人選定ノ通知ヲ為シタル後ハ相手方ニ対シテ其選定ニ羈束セラル
第七百九十一条 仲裁契約ヲ以テ選定シタルニ非サル仲裁人カ死亡シ又ハ其他ノ理由ニ因リ欠缺シ又ハ其職務ノ引受若クハ施行ヲ拒ミタルトキハ其仲 裁人ヲ選定シタル当事者ハ相手方ノ催告ニ因リ七日ノ期間内ニ他ノ仲裁人ヲ選定ス可シ此期間ヲ徒過シタルトキハ管轄裁判所ハ其催告ヲ為シタル者 ノ申立ニ因リ仲裁人ヲ選定ス可シ
第七百九十二条 当事者ハ裁判官ヲ忌避スル権利アルト同一ノ理由及ヒ条件ヲ以テ仲裁人ヲ忌避スルコトヲ得
2 此他仲裁契約ヲ以テ選定シタルニ非サル仲裁人カ其責務ノ履行ヲ不当ニ遅延スルトキハ亦之ヲ忌避スルコトヲ得 3 無能力者、聾者、唖者及ヒ公権ノ剥奪又ハ停止中ノ者ハ之ヲ忌避スルコトヲ得
第七百九十三条 仲裁契約ハ当事者ノ合意ヲ以テ左ノ場合ノ為メ予定ヲ為ササリシトキハ其効力ヲ失フ 第一 契約ニ於テ一定ノ人ヲ仲裁人ニ選定シ其仲裁人中ノ或ル人カ死亡シ又ハ其他ノ理由ニ因リ欠缺シ又ハ其職務ノ引受ヲ拒ミ又ハ仲裁人ノ取結ヒ
タル契約ヲ解キ又ハ其責務ノ履行ヲ不当ニ遅延シタルトキ 第二 仲裁人カ其意見ノ可否同数ナル旨ヲ当事者ニ通知シタルトキ
第七百九十四条 仲裁人ハ仲裁判断前ニ当事者ヲ審訊シ且必要トスル限リハ争ノ原因タル事件関係ヲ探知ス可シ 2 仲裁手続ニ付キ当事者ノ合意アラサル場合ニ於テハ其手続ハ仲裁人ノ意見ヲ以テ之ヲ定ム
第七百九十五条 仲裁人ハ其面前ニ任意ニ出頭スル証人及ヒ鑑定人ヲ訊問スルコトヲ得 2 仲裁人ハ証人又ハ鑑定人ヲシテ宣誓ヲ為サシムル権ナシ
第七百九十六条 仲裁人ノ必要ト認ムル判断上ノ行為ニシテ仲裁人ノ為スコトヲ得サルモノハ当事者ノ申立ニ因リ管轄裁判所之ヲ為ス可シ但其申立ヲ 相当ト認メタルトキニ限ル
2 証人又ハ鑑定人ニ供述ヲ命シタル裁判所ハ証拠ヲ述フルコト又ハ鑑定ヲ為スコトヲ拒ミタル場合ニ於テ必要ナル裁判ヲモ亦為ス権アリ
第七百九十七条 仲裁人ハ当事者カ仲裁手続ヲ許ス可カラサルコトヲ主張スルトキ殊ニ法律上有効ナル仲裁契約ノ成立セサルコト、仲裁契約カ判断ス 可キ争ニ関係セサルコト又ハ仲裁人カ其職務ヲ施行スル権ナキコトヲ主張スルトキト雖モ仲裁手続ヲ続行シ且仲裁判断ヲ為スコトヲ得
第七百九十八条 数名ノ仲裁人カ仲裁判断ヲ為ス可キトキハ過半数ヲ以テ其判断ヲ為ス可シ但仲裁契約ニ別段ノ定アルトキハ此限ニ在ラス 第七百九十九条 仲裁判断ニハ其作リタル年月日ヲ記載シテ仲裁人之ニ署名捺印ス可シ
2 仲裁人ノ署名捺印シタル判断ノ正本ハ之ヲ当事者ニ送達シ其原本ハ送達ノ証書ヲ添ヘテ管轄裁判所ニ之ヲ預ケ置ク可シ
第八百条 仲裁判断ハ当事者間ニ於テ確定シタル裁判所ノ判決ト同一ノ効力ヲ有ス
第八百一条 仲裁判断ノ取消ハ左ノ場合ニ於テ之ヲ申立ツルコトヲ得 第一 仲裁手続ヲ許ス可カラサリシトキ 第二 仲裁判断カ法律上禁止ノ行為ヲ為ス可キ旨ヲ当事者ニ言渡シタルトキ 第三 当事者カ仲裁手続ニ於テ法律ノ規定ニ従ヒ代理セラレサリシトキ 第四 仲裁手続ニ於テ当事者ヲ審訊セサリシトキ 第五 仲裁判断ニ理由ヲ付セサリシトキ 第六 第四百二十条第四号乃至第八号ノ場合ニ於テ再審ノ訴ヲ許ス条件ノ存スルトキ
2 仲裁判断ノ取消ハ当事者カ別段ノ合意ヲ為シタルトキハ本条第四号及ヒ第五号ニ掲ケタル理由ニ因リ之ヲ為スコトヲ得ス
第八百二条 仲裁判断ニ因リ為ス強制執行ハ執行判決ヲ以テ其許ス可キコトヲ言渡シタルトキニ限リ之ヲ為スコトヲ得 2 右執行判決ハ仲裁判断ノ取消ヲ申立ツルコトヲ得ヘキ理由ノ存スルトキハ之ヲ為スコトヲ得ス
第八百三条 執行判決ヲ為シタル後ハ仲裁判断ノ取消ハ第八百一条第六号ニ掲ケタル理由ニ因リテノミ之ヲ申立ツルコトヲ得但当事者カ自己ノ過失ニ 非スシテ前手続ニ於テ取消ノ理由ヲ主張スル能ハサリシコトヲ疏明シタルトキニ限ル
第八百四条 仲裁判断取消ノ訴ハ前条ノ場合ニ於テハ一个月ノ不変期間内ニ之ヲ起ス可シ
2 右期間ハ当事者カ取消ノ理由ヲ知リタル日ヲ以テ始マル然レトモ執行判決ノ確定前ニハ始マラサルモノトス但執行判決ノ確定ト為リタル日ヨリ起算
シテ五个年ノ満了後ハ此訴ヲ起スコトヲ許サス
3 仲裁判断ヲ取消ストキハ執行判決ノ取消ヲモ亦言渡ス可シ
第八百五条 仲裁人ヲ選定シ若クハ忌避スルコト、仲裁契約ノ消滅スルコト、仲裁手続ヲ許ス可カラサルコト、仲裁判断ヲ取消スコト又ハ執行判決ヲ 為スコトヲ目的トスル訴ニ付テハ仲裁契約ニ指定シタル簡易裁判所又ハ地方裁判所之ヲ管轄シ其指定ナキトキハ請求ヲ裁判上主張スル場合ニ於テ管 轄ヲ有ス可キ簡易裁判所又ハ地方裁判所之ヲ管轄ス
2 前項ニ依リ管轄ヲ有スル裁判所数箇アルトキハ当事者又ハ仲裁人カ最初ニ関係セシメタル裁判所之ヲ管轄ス
第1条〔普通裁判籍〕
1. 訴ハ被告ノ普通裁判籍所在地ノ裁判所ノ管轄ニ属ス【新4条 1項】
第2条〔人の普通裁判籍〕
1. 人ノ普通裁判籍ハ住所ニ依リテ定ル
2. 日本ニ住所ナキトキ又ハ住所ノ知レサルトキハ普通裁判籍ハ居所ニ依リ、居所ナキトキ又ハ居所ノ知レサルトキハ最後ノ住所ニ依リテ定ル 【新4条 2項】
第3条〔大公使等の普通裁判籍〕
1. 大使、公使其ノ他外国ニ在リテ治外法権ヲ享クル日本人カ前条ノ規定ニ依リ普通裁判籍ヲ 有セサルトキハ其ノ者ノ普通裁判籍ハ最高裁判所ノ定ムル地ニ在ルモノトス 〔昭二三法一四九本条改正〕
【新4条 】
第4条〔法人・団体・国の普通裁判籍〕
1. 法人其ノ他ノ社団又ハ財団ノ普通裁判籍ハ其ノ主タル事務所又ハ営業所ニ依リ、事務所又
ハ営業所ナキトキハ主タル業務担当者ノ住所ニ依リテ定ル
2. 国ノ普通裁判籍ハ訴訟ニ付国ヲ代表スル官庁ノ所在地ニ依リテ定ル
3. 第一項ノ規定ハ外国ノ社団又ハ財団ノ普通裁判籍ニ付テハ日本ニ於ケル事務所、営業所又
ハ業務担当者ニ之ヲ適用ス 【新4条 4項~6項】
第5条〔義務履行地の裁判籍〕
1. 財産権上ノ訴ハ義務履行地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条 1号】
第6条〔手形・小切手支払地の裁判籍〕
1. 手形又ハ小切手ニ因ル金銭ノ支払ノ請求ヲ目的トスル訴ハ手形又ハ小切手ノ支払地ノ裁判 所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
〔昭三九法一三五本条改正〕
【新5条 2号】
第7条〔船籍所在地の裁判籍-船員〕
1. 船員ニ対スル財産権上ノ訴ハ船舶ノ船籍ノ所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得 〔昭二三法一四九本条改正〕
【新5条 3号】
第8条〔財産所在地の裁判籍〕
1. 日本ニ住所ナキ者又ハ住所ノ知レサル者ニ対スル財産権上ノ訴ハ請求若ハ其ノ担保ノ目的 又ハ差押フルコトヲ得ヘキ被告ノ財産ノ所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条 4号】
第9条〔事務所・営業所所在地の裁判籍〕
1. 事務所又ハ営業所ヲ有スル者ニ対スル訴ハ其ノ事務所又ハ営業所ニ於ケル業務ニ関スルモ ノニ限リ其ノ所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条 5号】
第10条〔船籍所在地の裁判籍-船舶利用者〕
1. 船舶又ハ航海ニ関シ船舶所有者其ノ他船舶ノ利用ヲ為ス者ニ対スル訴ハ船籍ノ所在地ノ裁 判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条 6号】
第11条〔船舶所在地の裁判籍〕
1. 船舶債権其ノ他船舶ヲ以テ担保スル債権ニ基ク訴ハ船舶ノ所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スル コトヲ得
【新5条 7号】
第12条〔社員・役員の特別裁判籍〕
1. 会社其ノ他ノ社団ヨリ社員ニ対スル訴又ハ社員ヨリ社員ニ対スル訴ハ社員タル資格ニ基ク モノニ限リ会社其ノ他ノ社団ノ普通裁判籍所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
2. 前項ノ規定ハ社団又ハ財団ヨリ役員ニ対スル訴及会社ヨリ発起人又ハ検査役ニ対スル訴ニ 之ヲ準用ス
【新5条 8号イ、ロ、ハ】
第13条〔社員の特別裁判籍〕
1. 会社其ノ他ノ社団ノ債権者ヨリ社員ニ対スル訴ハ社員タル資格ニ基クモノニ限リ前条ノ裁 判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条 8号ニ】
第14条〔前二条の拡張〕
1. 第十二条〔社員・役員の特別裁判籍〕及前条〔社員の特別裁判籍〕ノ規定ハ社団、財 団、社員又ハ社団ノ債権者ヨリ社員、役員、発起人又ハ検査役タリシ者ニ対スル訴及社員 タリシ者ヨリ社員ニ対スル訴ニ之ヲ準用ス
【新5条8号イ~ニ】
第15条〔不法行為地の裁判籍〕
1. 不法行為ニ関スル訴ハ其ノ行為アリタル地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
2. 船舶ノ衝突其ノ他海上ノ事故ニ基ク損害賠償ノ訴ハ損害ヲ受ケタル船舶カ最初ニ到達シタ
ル地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得 【新5条9号、10号】
第16条〔海難救助の裁判籍〕
1. 海難救助ニ関スル訴ハ救助アリタル地又ハ救助セラレタル船舶カ最初ニ到達シタル地ノ裁 判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条11号】
第17条〔不動産所在地の裁判籍〕
1. 不動産ニ関スル訴ハ不動産所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得 【新5条12号】
第18条〔登記・登録地の裁判籍〕
1. 登記又ハ登録ニ関スル訴ハ登記又ハ登録ヲ為スヘキ地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得
【新5条13号】
第19条〔相続の裁判籍〕
1. 相続権ニ関スル訴又ハ遺留分若ハ遺贈其ノ他死亡ニ因リテ効力ヲ生スヘキ行為ニ関スル訴 ハ相続開始ノ時ニ於ケル被相続人ノ普通裁判籍所在地ノ裁判所ニ之ヲ提起スルコトヲ得 【新5条14号】
第20条〔前条の拡張〕
1. 相続債権其ノ他相続財産ノ負担ニ関スル訴ニシテ前条ノ規定ニ該当セサルモノハ相続財産 ノ全部又ハ一部カ前条ノ裁判所ノ管轄区域内ニ在ルトキニ限リ其ノ裁判所ニ之ヲ提起スル コトヲ得
【新5条15号】
第21条〔併合請求の裁判籍〕
1. 一ノ訴ヲ以テ数個ノ請求ヲ為ス場合ニ於テハ第一条乃至前条ノ規定ニ依リ一ノ請求ニ付管 轄権ヲ有スル裁判所ニ其ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
〔昭三九法一三五本条改正〕
【新7条 変更】
第22条〔訴訟物の価額の算定〕
1. 裁判所法ニ依リ管轄カ訴訟ノ目的ノ価額ニ依リテ定ルトキハ其ノ価額ハ訴ヲ以テ主張スル 利益ニ依リテ之ヲ算定ス
2. 前項ノ価額ヲ算定スルコト能ハサルトキハ其ノ価額ハ九十万円ヲ超過スルモノト看做ス 〔昭五七法八二第二項改正〕
【新8条】
第23条〔請求併合の場合の訴額〕
1. 一ノ訴ヲ以テ数個ノ請求ヲ為ストキハ其ノ価額ヲ合算ス 果実、損害賠償、違約金又ハ 費用ノ請求カ訴訟ノ附帯ノ目的ナルトキハ其ノ価額ハ之ヲ訴訟ノ目的ノ価額ニ算入セス 【新9条】
第24条〔管轄の指定〕
1. 左ノ場合ニ於テハ関係アル裁判所ニ共通スル直近上級裁判所ハ申立ニ因リ決定ヲ以テ管轄
裁判所ヲ定ム
一 管轄裁判所カ法律上又ハ事実上裁判権ヲ行フコト能ハサルトキ
二 裁判所ノ管轄区域明確ナラサル為管轄裁判所カ定ラサルトキ
2. 前項ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス 〔昭二三法一四九第一項改正〕
【新10条】
第25条〔合意管轄〕
1. 当事者ハ第一審ニ限リ合意ニ依リ管轄裁判所ヲ定ムルコトヲ得
2. 前項ノ合意ハ一定ノ法律関係ニ基ク訴ニ関シ且書面ヲ以テ之ヲ為スニ非サレハ其ノ効ナシ
【新11条】
第26条〔応訴管轄〕
1. 被告カ第一審裁判所ニ於テ管轄違ノ抗弁ヲ提出セスシテ本案ニ付弁論ヲ為シ又ハ準備手続 ニ於テ申述ヲ為シタルトキハ其ノ裁判所ハ管轄権ヲ有ス
【新12条】
第27条〔専属管轄による除外〕
1. 第一条〔普通裁判籍〕、第五条乃至第二十一条〔特別裁判籍〕、第二十五条〔合意管 轄〕及前条 〔応訴管轄〕ノ規定ハ訴ニ付専属管轄ノ定アル場合ニハ之ヲ適用セス 〔昭三九法一三五本条改正〕
【新13条】
第28条〔職権証拠調〕
1. 裁判所ハ管轄ニ関スル事項ニ付職権ヲ以テ証拠調ヲ為スコトヲ得
【新14条】
第29条〔管轄決定の標準時〕
1. 裁判所ノ管轄ハ起訴ノ時ヲ標準トシテ之ヲ定ム 【新15条】
第30条〔管轄違に基づく移送〕
1. 裁判所ハ訴訟ノ全部又ハ一部カ其ノ管轄ニ属セスト認ムルトキハ決定ヲ以テ之ヲ管轄裁判 所ニ移送ス
2. 地方裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄区域内ノ簡易裁判所ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相当ト認ム ルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ニ付自ラ審理
及裁判ヲ為スコトヲ得但シ訴ニ付専属管轄ノ定ノアル場合ハ此ノ限ニ在ラス 〔昭二三法一四九第二項改正〕
【新16条 変更】
第31条〔損害・遅滞を避けるための移送〕
1. 裁判所ハ其ノ管轄ニ属スル訴訟ニ付著キ損害又ハ遅滞ヲ避クル為必要アリト認ムルトキハ 其ノ専属管轄ニ属スルモノヲ除クノ外申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ヲ他 ノ管轄裁判所ニ移送スルコトヲ得
【新17条 変更、新20条】
第31条ノ2〔簡裁の裁量移送〕
1. 簡易裁判所ハ訴訟カ其ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ相当ト認ムルトキハ其ノ専属管轄ニ属 スルモノヲ除クノ外申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ訴訟ノ全部又ハ一部ヲ其ノ所在地ヲ管轄ス ル地方裁判所ニ移送スルコトヲ得
〔昭二三法一四九本条追加〕
【新18条、新20条】
第31条ノ3〔簡裁の必要的移送〕
1. 簡易裁判所ハ訴訟ガ其ノ管轄ニ属スル場合ニ於テモ当事者ノ申立及相手方ノ同意アルトキ ハ其ノ専属管轄ニ属スルモノヲ除クノ外訴訟ノ全部又ハ一部ヲ其ノ所在地ヲ管轄スル地方
裁判所ニ移送スルコトヲ要ス但シ之ニ因リ著ク訴訟手続ヲ遅滞セシムベキ場合ハ此ノ限ニ 在ラズ
2. 前項本文ノ規定ハ不動産ニ関スル訴訟ニ付被告ノ申立アル場合ニ之ヲ準用ス但シ其ノ申立 前被告ガ本案ニ付弁論ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
〔昭五七法八二本条追加〕
【新19条 変更、新20条】
第32条〔移送の裁判の効力〕
1. 移送ノ裁判ハ移送ヲ受ケタル裁判所ヲ覊束ス
2. 移送ヲ受ケタル裁判所ハ更ニ事件ヲ他ノ裁判所ニ移送スルコトヲ得ス
【新22条1項、2項】
第33条〔不服申立〕
1. 移送ノ裁判及移送ノ申立ヲ却下シタル裁判ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得 〔昭二三法一四九本条改正〕
【新21条】
第34条〔移送の効果〕
1. 移送ノ裁判確定シタルトキハ訴訟ハ初ヨリ移送ヲ受ケタル裁判所ニ繋属シタルモノト看做 ス
2. 前項ノ場合ニ於テハ移送ノ裁判ヲ為シタル裁判所ノ裁判所書記官ハ其ノ裁判ノ正本ヲ訴訟 記録ニ添附シ移送ヲ受ケタル裁判所ノ裁判所書記官ニ之ヲ送付スルコトヲ要ス 【新22条3項、規則】