昭和二十三年七月二十二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基く臨時措置に関する政令

『公務員の労働争議禁止令』

昭和23年政令第201号
昭和23年7月31日
内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基づき、ここに昭和23年7月22日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基づく臨時措置に関する政令を制定する。


      詳細

    
第1条

第一条 任命によると雇用によるとを問わず、国又は地方公共団体の職員の地位にある者(以下公務員といい、これに該当するか否かの疑義については、臨時人事委員会が決定する。)は、国又は地方公共団体に対しては、同盟罷業、怠業的行為等の脅威を裏付けとする拘束的性質を帯びた、いわゆる団体交渉権を有しない。但し、公務員又はその団体は、この政令の制限内において、個別的に又は団体的に其の代表を通じて、苦情、意見、希望又は不満を表明し、且つ、これについて十分な話し合いをなし、証拠を提出することができるという意味において、国又は地方公共団体の当局と交渉する自由を否認されるものではない。

2 給与、服務等公務員の身分に関する事項に関しては、従前、国又は地方公共団体によって取られた措置については、この政令で定められた制限の趣旨に矛盾し、又は違反しない限り、引き続き効力を有するものとする。

3 現に絜属中の国又は地方公共団体を関係当事者とする全ての斡旋、調停または仲裁に関する手続きは、中止される。爾後、臨時人事委員会は公務員の利益を保護する責任を有する機関と為る。

第2条

第二条 公務員は、何人といえども、同盟罷業又怠業的行為をなし、その他国又は地方公共団体の業務の運営能率を阻害する争議手段を取ってはならない。

公務員であ利ながら前項の規定に違反する行為をした者は、国又は地方公共団体に対し、其の保有する任命又は雇用上の権利をもって対処することができない。

第3条

第三条 第二条第一項の規定に違反した者は、これを一年以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

附則

1 この政令は、公布の日から、これを施行する。

2 この政令は、昭和二十三年七月二十三日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡にいう国家公務員法の改正等国会による立法が成立実施されるまで、その効力を有する。