テュキュディデス「戦史」第21章

テュキュディデス「戦史」第21章

ἐκ δὲ τῶν εἰρημένων τεκμηρίων ὅμως τοιαῦτα ἄν τις νομίζων μάλισταἃ διῆλθον οὐχ ἁμαρτάνοι, καὶ οὔτε ὡς ποιηταὶ ὑμνήκασι περὶ αὐτῶνἐπὶ τὸ μεῖζον κοσμοῦντες μᾶλλον πιστεύων, οὔτε ὡς λογογράφοιξυνέθεσαν ἐπὶ τὸ προσαγωγότερον τῇ ἀκροάσει ἢ ἀληθέστερον, ὄνταἀνεξέλεγκτα καὶ τὰ πολλὰ ὑπὸ χρόνου αὐτῶν ἀπίστως ἐπὶ τὸ μυθῶδεςἐκνενικηκότα, ηὑρῆσθαι δὲ ἡγησάμενος ἐκ τῶν ἐπιφανεστάτωνσημείων ὡς παλαιὰ εἶναι ἀποχρώντως.

しかし、前述の証拠から見ても、もし誰かが古代の出来事についてこうした考えを持っていたとしても、それは間違いではないだろう。詩人たちがその出来事について讃歌を詠む際に、その内容をより美化して信じられるようにすることや、歴史家たちが聴衆に向けてより適切で真実に近い形で記述することがあるが、時が経つにつれて、これらの事実は多くの場合、神話的なものとして信じられてしまう。しかし、最も顕著な証拠から考えても、これらの出来事が古いものであることは十分に理解できる。」

この文は、歴史的出来事についての誤解や神話化がしばしばあることを認めつつも、顕著な証拠に基づいてその出来事が古代のものであると理解することができるということを述べています。

καὶ ὁ πόλεμος οὗτος, καίπερ τῶν ἀνθρώπων ἐν ᾧ μὲν ἂν πολεμῶσι τὸνπαρόντα αἰεὶ μέγιστον κρινόντων, παυσαμένων δὲ τὰ ἀρχαῖα μᾶλλονθαυμαζόντων, ἀπ’ αὐτῶν τῶν ἔργων σκοποῦσι δηλώσει ὅμως μείζωνγεγενημένος αὐτῶν.

「そしてこの戦争も、人々が現に戦っている時には常に最大のものと評価されるが、古い時代の戦争が終わると、むしろ古いものの方が称賛される傾向がある。しかし、これらの事業から見て、その戦争が実際にはより大きなものとして示されるだろう。」

この文は、戦争が現在進行中のときには最大の重要性を持って評価されるが、時間が経つと古い戦争がより称賛される傾向があることを指摘し、それにもかかわらず、その戦争が実際にはより大きなものであることが示されるだろうと述べています。