ホメロス「イリアス」#3(68−91)

The Origin of Human Society

ホメロス「イリアス」#3(68−91)

ἤτοι ὅ γʼ ὣς εἰπὼν κατʼ ἄρʼ ἕζετο· τοῖσι δʼ ἀνέστη

Κάλχας Θεστορίδης οἰωνοπόλων ὄχʼ ἄριστος,

ὃς ᾔδη τά τʼ ἐόντα τά τʼ ἐσσόμενα πρό τʼ ἐόντα,

καὶ νήεσσʼ ἡγήσατʼ Ἀχαιῶν Ἴλιον εἴσω

ἣν διὰ μαντοσύνην, τήν οἱ πόρε Φοῖβος Ἀπόλλων·

ὅ σφιν ἐὺ φρονέων ἀγορήσατο καὶ μετέειπεν·

ὦ Ἀχιλεῦ κέλεαί με Διῒ φίλε μυθήσασθαι

μῆνιν Ἀπόλλωνος ἑκατηβελέταο ἄνακτος·

τοὶ γὰρ ἐγὼν ἐρέω· σὺ δὲ σύνθεο καί μοι ὄμοσσον

ἦ μέν μοι πρόφρων ἔπεσιν καὶ χερσὶν ἀρήξειν·

ἦ γὰρ ὀΐομαι ἄνδρα χολωσέμεν, ὃς μέγα πάντων

Ἀργείων κρατέει καί οἱ πείθονται Ἀχαιοί·

κρείσσων γὰρ βασιλεὺς ὅτε χώσεται ἀνδρὶ χέρηϊ·

εἴ περ γάρ τε χόλον γε καὶ αὐτῆμαρ καταπέψῃ,

ἀλλά τε καὶ μετόπισθεν ἔχει κότον, ὄφρα τελέσσῃ,

ἐν στήθεσσιν ἑοῖσι· σὺ δὲ φράσαι εἴ με σαώσεις.

τὸν δʼ ἀπαμειβόμενος προσέφη πόδας ὠκὺς Ἀχιλλεύς·

θαρσήσας μάλα εἰπὲ θεοπρόπιον ὅ τι οἶσθα·

οὐ μὰ γὰρ Ἀπόλλωνα Διῒ φίλον, ᾧ τε σὺ Κάλχαν

εὐχόμενος Δαναοῖσι θεοπροπίας ἀναφαίνεις,

οὔ τις ἐμεῦ ζῶντος καὶ ἐπὶ χθονὶ δερκομένοιο

σοὶ κοίλῃς παρὰ νηυσί βαρείας χεῖρας ἐποίσει

συμπάντων Δαναῶν, οὐδʼ ἢν Ἀγαμέμνονα εἴπῃς,

ὃς νῦν πολλὸν ἄριστος Ἀχαιῶν εὔχεται εἶναι.

以下は、ホメーロスの『イーリアス』からの続き部分の日本語訳です。


こう言ってアキレウスは座った。次に立ち上がったのは、
鳥占いの中で最も優れた予言者、テストールの子カリカスであった。
彼は過去、現在、未来のすべてを知っており、
アカイア軍の船を率いて、予言の力でトロイアへと導いた。
その力はフォイボス・アポロンから授けられたものであった。
カリカスは好意的に軍を見渡して、次のように言った。
「アキレウスよ、あなたは私にアポロン神の怒りについて語るよう命じましたが、
それならば私は真実を語りましょう。しかし、あなたに誓ってもらいたい。
私を守り、手を貸してくれることを、誠意を持って約束してください。
私は、ある人物を怒らせることになるだろう。その人物は、
全ギリシャ軍の中で最も権力を握り、皆が従っている者です。
王は、下の者に怒るとき、たとえその日のうちに怒りを抑えても、
後になっても恨みを胸に秘め、いつか復讐するでしょう。
だから、あなたが私を守ってくれるかどうかを確認させてください。」
これに対し、アキレウスは素早く答えた。
「安心して、知っていることをすべて言いなさい。
アポロン神に誓って、誰もあなたに手を出させはしない。
たとえそれがアガメムノンであっても、
彼がアカイア軍の中で最強と自負しているとしても、
私が生きている限り、誰もあなたに危害を加えることはない。」


要約:
予言者カリカスはアポロン神の怒りの理由を語る前に、権力者の怒りを買う恐れがあるため、アキレウスに自分を守るよう誓いを求めます。アキレウスは、カリカスに真実を語るよう促し、アガメムノンであろうと、誰からも彼を守ると誓います。